多重派遣とは
多重派遣(二重派遣)とは、派遣社員が派遣先からさらに別の派遣先企業に派遣されることを言います。
(派遣元と派遣先の間に人材紹介業者が複数介在して紹介料などを搾取するケースも含まれる)
多重派遣の問題もグッドウィル問題のときに大きな話題となりました。
多重派遣は中間企業による労働搾取につながることや、派遣元・派遣先の企業と労働者に対する責任の所在が不明瞭にもなるため職業安定法第44条で禁止されており、処罰対象となります。
ただし、契約の内容を工夫すれば、3社間での社員のやりとりが可能となっているのが現状です。
例:A社 B社 C社が存在し、A社がB社を仲介してC社の社員を常駐させる場合
B社とC社では派遣契約を結び、B社とA社では準委任契約で契約を結ぶことで、C社の人間をA社に常駐させる。
その際、A社はC社の社員に対して指示をだすことは上記の状態では出来ません。
ですので、A社にB社の社員を常駐させて、A社→B社→C社のような形で指示をする必要があります。
派遣が禁止されている業務
現在、さまざまな業務において派遣契約が交わされていますが、派遣法第四条第一項により、労働者派遣が禁止されている業務も存在します。
港湾運送業務・建設業務・事務所、住宅、興行場、駐車場、遊園地などにおける警備業務・医師、歯科医師、薬剤師、看護師などの医療関連業務、人事労務関係業務、弁護士、司法書士などの士業などは基本的に労働者派遣は禁止されています。
(2009年2月現在)
ただし、紹介予定派遣が行われる場合には、保健師、看護師、栄養士などの医療関連業務での労働者派遣は可能であるなどの例外があります。
このように、どのような業務なら労働者派遣が可能となっているか、どのような業務なら労働者派遣が禁止となっているかということについて、複雑に見受けられる部分があります。
また、2004年の派遣法改正により解禁された製造業務に対する労働者派遣などについて、「派遣切り」問題の発生により、再度見直しをする必要であるという声が上がっています。